1.被評価者分類の設定

 

  人事評価は、<評価される人>と<評価する人>の間で行われ

 ます。

 

  ・評価される人=被評価者

  ・評価する人=評価者      です。

 

  はじめに、<被評価者>を分類します。

 

  企業や組織で仕事をする人、それぞれ担当する仕事の内容や役

 割、責任が違います。

 

  誰一人として、同じ仕事をしている人はいない。

 

  極端を言えば、そうなのですが、全員の評価項目を違うように

 設計するのは、理想かもしれませんが、実際にはムリです。

 

  また、反対に、それでは、「誰かと誰かを比較する」という評

 価制度の、別の目的が果たせなくなることになってしまいます。

 

  そこで、同じ職種や同じ役職(職位)などで、評価される人を

 グループ化=分類します。

 

  その分類方法と、分類の根拠となる条件を検討し、決定するの

 がこのステップの課題です。

 

  1.職種・職能分類の設定

  2.階層・職位分類の設定

  3.被評価者(資格)分類の設定

  4.被評価者(資格・能力)要件の設定

 

  分類されたグループの単位、それぞれが<資格>分類となりま

 す。

 

  その資格分類ごとに、大枠での資格に必要な条件(要件)を設

 定する課題を含んでいます。

 

 

1-1 職種分類・職能分類の設定

 

 人事評価制度では、<評価される人=被評価者>と<評
価する人=評価者>がいます。

  

 <評価される人>の立場は、いろいろあります。

 

 担当する仕事、担当する役割や責任などによって、評価
         されるコトが当然違います。

 

          そこで分類が必要になります。

 

          まず初めに、仕事の内容・性質をもとに「職種」や「職

         能」(職務機能の略)などに分類します。

 

          例えば

         ■ 営業職、販売職、製造職、工務職、バイヤー職、設計

         職、企画職、物流職、事務職

 

         などがその例です。

 

          組織や部門の名称と同じ表現になることもありますね。

 

          しかし、例えば、物流部に所属する人全員が、物流職と

         いうわけではありません。

 

          同じ組織に所属するメンバー全員が、同じ評価項目で評

         価されるとは限らない。

 

          担当する仕事の内容に応じて違う分類に入ることがある。

          物流部に所属しているが、担当は<事務職>であったり

         <企画職>である、という例です。

 

       

          この点に気を付けましょう。

     

1-2 階層・職位・役職分類の設定

 

 職種または職能分類で被評価者の分類が終わるわけ

ではありません。

 

 例えば、<営業職>であっても、人により、現状の

能力や責任の内容が違うことも多いですね。

 

 入社間もない<営業職>とベテランとでは、求める

仕事や責任、持っている能力などが違い、当然、評価

する(される)内容やレベルが違います。

 

 そこで、同じ職種・職能の中で、必要な能力の基準

や目標・責任の違いを分類します。

 階層・段階を設けます。

 

 例えば

 

 <初級><中級><上級>という「階層分類」

 

 <フォロアー><リーダー><マネジャー>、

 <一般職><主任職><管理職>などの「職位分類」

 

のようにです。

 

 また、職位=役職として

 

 <主任><係長><課長><所長><部長> など

「役職分類」を用いることも可能です。

 

 

 「職種・職能分類」とこの「階層・職位・役職分類」
の組み合わせで、被評価者の分類ができあがります。

 

  

1-3 被評価者(資格)分類の設定

 

 <職種・職能分類>と<階層・職位分類>を組み合わせた
事例を、以下の表にしてみました。

 

  横軸が<職種・職能分類>で、縦軸が<階層分類>です。

 

 この事例では、<管理職>も一つの職能と見立てて規定・

         運用する方式です。

 

          また、A,B,C などで職種・職能分類を、1,2,3 で階

         層分類をコード化し、その組み合わせで分類を表示してい

         ます。

  

          このように、それぞれの企業・組織の業種や職種、組織

         に応じて、適切に分類します。

 

   製造職    設計職    物流職    企画職    事務職   管理職  
 上級職  

A-1

B-1 C-1 D-1 F-1
 中級職   A-2 B-2 C-2 D-2 E-2
 初級職   A-3 B-3 C-3 E-3
 
 

1-4 被評価者(資格・能力)要件の設定

 

 前項の<被評価者分類>のそれぞれの枠に、その仕事

を担当するために必要な能力や役割を記述します。

 

 それが、その枠の仕事を担当するための<能力要件>
です。

 

 その枠のひとつ一つの分類を<資格>の種類とみなせば

<資格要件>とも呼べます。

 

 <製造職>についての例を次の項に書いてみます。

 

営業職<資格要件>の事例

 区分 要 件

 上 級  

    

1.業界・競合・製品・顧客情報に通じ、相当の営業予算
 を達成し続けることができる交渉能力・パワー・人間性
 ・対人対外影響力・知識技術と意欲・責任感を持つ。

2.売上・販売利益数値責任を個人レベルで持つつともに、
 グループなど一定の組織単位での責任を持ち、その組織
 のプレーイング・マネージャーの役割を担うこともある。

3.新規顧客開拓・既存顧客における新需要開拓・従来型
 営業中心など営業方法や顧客の違いはあるが、それぞれ
 において製品およびその技術・設計などに関する専門知
 識を持ち、内外関係先との渉外調整を行うことがある。

 

 中 級

1.自己管理を踏まえ、計画的・精力的・的確な営業活動

 を行う。

2.個人別の売上・販売利益予算を持ち、これを安定的に
 達成する。

 

3.製品の製造と取扱いなど、営業上必要な知識・技術を

 身につけ、かつ、顧客ニーズを社内外の生産関連担当に

 的確に伝える。

4.営業活動に有効な販促手段・ツールの企画、顧客サー

 ビス・情報提供活動、クレーム処理などを的確に行う。

 

5.新規需要・チャネル開拓のための情報ソース・ネット

 ワークをもち、成果の創出に活用する。

6.営業一般職者などに対し、基礎知識の指導、助言など

 を的確に行う。

 

 初 級  

1.製品の基本知識を身につけており、顧客ニーズを的確

 に受け止めて、通常の営業活動を上司・上位資格者の指

 導のもとに的確に行う。

2.日常の営業活動において求められる好ましい対人関係、

 社会的関係を形成できる能力と資質・姿勢を持ち、これ

 を実践に展開する。

3.定められた就業諸規則に従い、社会人・企業人として

 ふさわしい自覚と責任を持った行動をとる。

 

 

 
私、大野晴夫がお手伝いします。
私、大野晴夫がお手伝いします。