2.評価区分・評価項目の設定

  

 <人事評価制度の設計>のステップ2が「評価区分と評価項目」の

設定になります。

 

 「<だれを>評価するか」という<被評価者>の分類を決めたあと、

次に、「<なにを>評価するか」を決めます。

 

 評価する内容を、性質によって<評価区分>として分類し、<評価

区分>ごとに、具体的になにを評価するのかという<評価項目>を決

めることになります。

 

 <評価区分>の軸は

 

 ・職務評価 ・勤務態度評価 ・(数値)業績評価 

 

の3種類の区分ですが

 

 間接的な課題として

 

 ・組織の業績評価 と ・個人の業績評価  の

 

取り扱いをどうするかについて方針を決めておく必要があります。

 

 このステップでは、これらについて検討し、設定していきます。

 

 

2-1 評価区分の種類と体系

 

 評価される人の分類が、仕事の内容や責任、能力

などで分類することを確認しました。

 

 次に、なにを評価するか、なにが評価されるかを

決めます。

 

■【職務評価】:

 仕事の内容と持っている能力のレベル、または実行度の評価

を「職務評価」と呼ぶことにします。

 

■【勤務態度評価】:

 仕事をするうえで、必要な仕事に対する姿勢や、勤務する上

でのルールや約束事の実行度の評価を「勤務態度評価」と呼び

ます。

 

■【業績評価】:

 売上予算や経費予算など数値目標や数値責任の達成度の評価

を「業績評価」と呼びます。

 

 この3種類が、評価項目の大分類で、体系です。

 

 ただし、別の名称を使ったり、別の評価区分を設定すること

もあります。

 

 企業の特性や方針の内容に応じて、柔軟に対応することがで

きます。

   

 

2-2 職務評価区分と評価項目の設定

 

 「職務評価」は仕事の内容を整理・分類した項目で行

います。

 

 仕事の単位を、たとえば

 

 <業務区分><職務区分><課業区分><作業区分> 

 

という段階にわけて、項目と内容を決めます。

 

 所属する組織名が、業務区分を表すことが多いですが、

その業務名称が組織内の仕事のすべてを表しているわけ

ではありません。

 

 例えば、店舗を持って営業する企業の、<業務区分>

は次のような分類となります。

 

【直接営業管理業務】: 

  <接客販売管理>・<販売促進管理>・<顧客情報管理>

  <売場管理>・<商品管理>・<店舗運営管理>

 

【間接営業管理業務】: 

  <販売事務管理>・<人事管理>・<店舗資産管理>

  <渉外管理>・<危機管理>・<業務管理>

 

 この<業務区分>をより具体的な仕事内容に分類して

 

<職務区分><課業区分><作業区分>として整理します。

 

 下に、外販営業会社の<営業(業務)区分>の2つの階

層分類のイメージを書いてみました。

 

----------------------

業務区分 職務区分 課業区分 作業区分 
営業管理 新規顧客開拓 見込客リスト作り 省略
    見込客調査  
    見込客訪問計画  
    見込客訪問  
    見込客契約交渉  
    新規取引契約  
    顧客情報処理  
       
  既存顧客営業 省略 省略
     
     
 

   実際の評価項目として、この分類のどれを用いるか

のルールは特にありません。

 

 すべての分類の項目を採用するわけにはいきません。

 

 ・職務遂行に時間がかかる

 ・問題が発生し改善が必要

 ・重要性が高い

 ・技術の習得に時間がかかる

  

  などの要因で決める。

 

  個人個人ごとに技術・技能を高める目標課題として設定する。

  あるいは、個人別の<年度目標管理>課題をそのまま用いる。

 

 など、方針にそって設定してもよいのです。

 

2-3 勤務態度評価区分と評価項目の設定

 

 <勤務態度評価>は、仕事の内容ではなく、態度・姿
勢の評価です。

 

 「就業規則」に定められた

 

 遅刻・欠勤なし、服装・身だしなみルールを守ること

 

 チームワークを守る・協調性がある、責任感が強い・

自主性がある などの項目が例です。

 

 基本は、全社員が評価されるべきですが、実践するこ

とが当たり前、実践できているから現在の責任ある業務

を担当している、というクラスは、評価する必要があり

ません。

 

 先にのべた評価対象者の区分の<上級職>には不要で

す。

 

 また、この項目は、<情意評価>とも呼ばれるのです

が<情>=気持ちの表れを評価するのは、意外にむずか

しいですね。

 

 普段から、気になっていること、守られていないこと

など、そのつど伝え、指導しておくことが必要です。

 

 私は、この<勤務態度評価>項目には、オリジナルな

内容をできるだけ反映させることをお薦めしています。

 

 <経営理念>に、もし行動規範・判断基準的な内容が

表現されている場合

 

 <行動指針>などで、種々の行動時の判断基準、優先

行動などが規定されている場合

 

 その内容をこの<勤務態度評価>項目に用いるのです。

 

 

2-4 数値業績評価区分と評価項目の設定

 

 数値予算・数値目標は、

 

 もともと、数値結果を集計し

 

◆売上高や粗利益高、営業利益高など、<金額>で設定する場合

 

◆予算比率、前年伸張率など<比率>で設定する場合

 

           ◆直接数字で集計できない定性的な課題を、達成率や満

           足度などを率で評価する場合

 

           など、さまざまです。

 

            一般的には、数字で集計できる予算値、目標値の結果

           の評価が望ましいですね。

 

           「評価区分」は、<売上><利益><経費><ロ

           ス>のようなくくりとすることが多いですね。

 

            その区分ごとに

 

             ・<額><率>に項目分け

             ・粗利益、営業利益、経常利益

             ・人件費、労働時間

             ・経費勘定科目別の項目

             ・不明ロス、値引値下ロス

 

           などの「評価項目」を方針・重点に基づいて設定しま

           す。

 

 

 

2-5 組織別業績評価の設定

 

 個人ごとに業績評価が行われれば、組織(部門)の業

績評価は必要ないと言えます。

 

 ただ、個人の業績が、純粋に、個人の力だけの結果と

言えるか?

 

 業績評価のむずかしい点です。

 

 そこで、組織単位の業績を評価し、そこでの一人ひと

りの貢献度を評価し、個人の業績評価決定のための参考

にする。

 

 こういう方法を採用するのも一つの方法と考え、提案

します。

 

 また、別の観点では、複数の組織の業績を比較する場

合、その組織の予算・目標の難易度や業績のトレンドに

よる有利不利の状況などを勘案する必要がある場合。

 

 ひとり一人の力では及ばない業績に直結する要因・原

因を参考にすべきと判断する場合。

 

 こうした場合にも、組織別業績評価をどこまで、どの

ように個人ごとの業績評価と結びつけるか、反映させる

か・・・。

 

 これも悩ましい問題ですが、組織規模・企業規模が小

さく、部門数が少ない場合は、あまり問題にはならない

と思います。

 

 仮に問題となっても、調整しやすいので、心配するほ

どではないでしょう。

 

 考慮すべきときに、できるだけオープンにし、理解・

納得を得られるよう調整しましょう。

 

2-6 個人別目標管理評価方法の設定

 

 個人別の目標管理を実施する場合

 

 その内容をそっくりそのまま<職務評価>と<業

績評価>のどちらか、または両方兼ねて取り込んで

しまう方法もあります。

 

 あるいは、目標管理の内容を一部引用して、<職

務評価>または<業績評価>項目に取り込むように

してもよいでしょう。

 

 ◆数値目標だけの目標管理

 

 ◆担当する職務の技能技術向上や遂行度・達成度

など、定性的な課題が主な目標管理

 

 どちらかによって、適用する「評価区分」が変わ

ります。

 

 前者は「業績評価」となり、後者は「職務評価」と

なります。

 

 評価制度の方針で、目標管理をどうするかを決める

ことになります。

 

私、大野晴夫がお手伝いします。
私、大野晴夫がお手伝いします。