5.人事評価結果の運用と総括

 

 人事評価の結果を何に、どのように活用するか?

 

 「人事評価制度規程」で制定した活用方法と基準に従って運用します。

 

 ただ、実際には、規程の条文で細かく、具体的に運用方法を決めず、大体の方針をうたうレベルで抑えておくことが現実的です。

 

 上記の画像内にある、課題ごとの運用法について、それぞれ大枠での運用方法と注意点を示しておきたいと思います。

 

 

5-1 年間人事評価結果、総括


  人事評価結果と調整結果などに関する集計と分析、

 その内容からの次期以降の課題や制度そのものの問

 題点、もし改訂が必要ならば、その理由と提案内容

 などをまとめ上げます。

 

  特に私が提案する評価制度は、評価項目が固定的

 でなく、重点課題主義として、必要に応じて入れ替

 えていく方式です。

 

  従い、誰もが高い評価となり、当たり前になった

 評価項目は、お役御免で、他の項目に入れ替えてい

 きます。

 

  そういう観点から、評価が低く、継続してその項

 目に関する技術や技能、職務の質を高めていく必要

 がある場合、時期の教育・訓練や日常でのOJTに

 力を入れるなどを方針化します。

 

  そのことを新年度の評価制度運用にあたり、全社

 に通達します。

 

  これは、ほんの一例です。

 

  評価結果は、個々の評価項目、評価区分ごと、職能

 や職位ごとのグルーピングで、種々分析し、次に活か

 していくかを検討し、具体化します。

 

  個人個人の評価結果を、人事人材業務にどう反映さ

 せるかという運用上のまとめはもちろん重要な目的で

 す。

 

  しかし、組織全体、企業全体として、評価制度を十

 分活かしていく方法や視点は多く、ぜひやりっ放しに

 終わらぬよう、人事委員会の使命として取り組んで頂

 きたいと思います。

 

5-2 年度経営計画総括と評価制度

 

  人事制度の仲間ではありませんが、年度経営計

 画は、年度人事制度関連業務の軸、起点になるも

 のです。

 

  私が提案する人事評価制度と年度経営計画との

 連動により、部分的に、年度計画の業績評価と関

 連している<評価項目>の評価結果が同じレベル

 になると言えます。

 

  そういう観点から、全社・全体方針と計画、部

 および課レベルの業務計画、予算の業績の総括と

 評価も必ず行いましょう。

 

  人事評価制度と年度経営計画の連係・連動のさ

 せ方も、年度ごとにカイゼンされていくよう期待

 しています。

 

 

5-3 人事評価制度、年間運用総括

 

  人事評価結果のまとめだけでなく、関連す

 る人事業務や組織管理業務、能力開発業務で

 の活用方法などもまとめ上げて、1年間の人
 事評価制度についての全業務を総括したこと

 になります。

 

  この一連の業務が終わったところで、人事

 評価制度の広範な意義と目的について、実際

 に理解できることになります。

 

  この最初の経験をもとに、人事評価制度の

 カイゼン、運用方法・活用方法の改善を、毎

 年、着実に進めていきましょう。

 

  そのことが、人材の育成、組織体質の強化、

 経営システム創りなどに必ず結びつきます。

 

  事業年度サイクルに合わせた<人事制度>

 の狙いは、ここにあります。

 

  特に、基盤ができていない中小企業は、こ

 の基本を徹底することで、仕事、人、経営の

 質が、毎年確実に向上していくことが確認で

 きます。

 

  全社員の参加で。

 

 

5-4 人事評価と賃金規定(給与・賞与)運用

 

  人事評価の結果をもっとも具体的に活用するのは、

 昇給や賞与に反映させることでしょう。

 

  年間2回賞与支給がある場合、人事評価の上期と

 年度の2回の結果を反映させるのが一般的です。

 

           当然、賞与として配分できる原資があり、その枠

          の中で、職位や評価点に応じて配分を決めます。

 

           その所轄部門は、人事部門ですが、意思決定には

          役員や部長が加わる方式をとることもあります。

 

           ただ、賞与が、業績と連動する規定の場合、業績

          不振の場合、支給されないこともあります。

 

           給与規程の運用では、評価結果を反映させる給与

          項目が決められており、それに従います。

         

           多くの場合、この給与項目は、職能資格制度の資

          格等級をもとに、<職能給>として設定され、給与

          規程で等級ごとに<号俸>を設定してつくった<給

          与表>に基づいて運用します。 

 

           給与への反映も、全体の昇給原資と関係し、単純

          に評価結果通りに運用できるわけではありません。

 

           業績不振が連続する場合などには、昇給が見送ら

          れることもあり得ます。

 

           社員の生活やモティベーションに関わる部分です

          から、そうした事情が発生する場合は、きちんと会

          社から社員に説明が必要です。

 

5-5 人事評価と職能資格制度運用

 

  人事評価制度と直接つながっているのが「職能資格

 制度」と「賃金制度」です。

 

  評価対象者を一般職・リーダー職・マネジャー職や

 一般職・監督職・専門職・管理職等の職位や階層に区

 分する。

 

  あるいは営業職・バイヤー職・店長職・物流職など

 の職種・職能に区分する。

 

  など、なにかしらの資格分類ごとに評価する制度です。

 

  その分類ごとに、賃金・給与を決める基準・ルール

 を設定したのが「賃金制度(規程)」です。

  

  職能資格制度に基づいて人事評価を行い、評価結果を、

 その資格分類 に準じて職能資格の変更を行い、それ

 に応じて給与表に基づいて昇給運用する。

 

  この流れになります。

 

  職能資格制度の階層区分・職位区分と賃金(制度)規

 程の等級・号俸区分が組み合わさっているのです。

 

  

 

5-6 人事評価と人事運用管理


 事業年度ごとに必要に応じ行う組織改訂や人事異動、

昇進昇格・降格人事。

 

 これらを「人事運用管理」と呼ぶことにしています。

 

 人事評価結果を必ずこの「人事運用管理」に結びつけ

         ることを制度にうたう必要はありません。

 

          新しい組織をつくったり、無くしたり、統合した  

         り・・・。

 

          必ずしも行うわけではありません。

 

          配置転換も定期的に必ず行うわけでもなく、昇進・   

         昇格もポストの有無と関係します。

 

          今年は適用する組織変更や人事異動はなかった。

         来年も必ずあるとはかぎらない。

 

           定年延長で、ポストが空かない。

           事業の成長が止まり、ポストが増えない。

 

          いろいろな事情・状況に合わせて人事運用管理が行      

         われます。

 

          その時により的確で望ましい人事をおこなうため

         に、人事評価結果や組織別・個人別の業績貢献度など

         を経営者や人事統括部門、経営管理統括部門は注意

         し、把握しておく必要があります。

 

5-7 人事評価と人材・能力開発活用

 

  人事評価の年間評価結果を各項目ごとに集計すると、

 教育訓練の課題が見えてきます。

 

  評価点数が低かった項目を、次期の教育訓練の課題

 に設定するのが合理的です。

 

           教育訓練の方法は、集合研修に適した課題か、職場

          場でのOJTで実施すべきか、年度計画で決めるよう

          にしましょう。

 

           といってもこの一連の業務をだれが主体となって行

          うのか、組織体制の応じて明確にする必要があります。

 

           人事制度を管理する人事部門が行うのが自然です。

           営業部門など教育訓練をもっとも必要としますが、

          実際に行うことが難しいでしょうから、具体的に

          どのように行うか、実施方法や計画作り、実践を

          強力にサポートする態勢が求められます。

 

           

           この他、個人の評価結果を元に、人材の発掘、配置

          転換や昇進・昇格、降格などの候補者の選考・検討な

          ども必要に応じて行います。

 

 

私、大野晴夫がお手伝いします。
私、大野晴夫がお手伝いします。